
サーフ工業株式会社は、生成AI需要の拡大等を背景に成長を続ける半導体業界がもたらす新たな課題に対応するため、2026年8月より半導体業界向けの供給体制を強化します。その一環として、より純度性・耐浸透性に優れた新開発フッ素樹脂PFA材料の採用を拡大していきます。
半導体業界では微細化が進むほど、成膜・エッチング・洗浄工程で使用される特殊ガスや薬液に高純度なものが求められ、それらに接する設備側にも金属イオン溶出を極限まで抑える表面処理技術が求められています。サーフ工業株式会社では、従来までの最大とされる厚み500μmに対し、サーフ工業では1500μmまでの厚膜焼付技術を既に確立しており、今回の新開発PFA材料についても、この確立済みの厚膜技術で対応可能であることを確認しました。実際の試験でも、Li、Na、Fe、Cuなど20元素すべてで溶出量が検出限界(0.3ppb)以下という結果が得られています。
1. 背景:半導体の微細化が押し上げる"高純度化"要求
生成AIの急速な普及に伴い、AI半導体をはじめとする最先端半導体への需要が世界的に拡大しています。日本国内でも、次世代半導体の国産化を目指すRapidus(北海道・千歳)が2nm世代のパイロットラインを稼働させ試作ウェーハの動作確認に成功したほか、TSMCの熊本工場(JASM)では第2工場の建設が進むなど、官民一体となった大規模投資が進行しています。半導体市場は2035年には190兆円規模に成長すると見込まれており、こうした投資の広がりは、製造装置メーカーや部材・素材メーカーを含むサプライチェーン全体に大きな影響を与えています。
こうした最先端プロセスの実現を支えているのが、"高純度化"という要素技術です。半導体の回路線幅が微細化するほど、成膜・エッチング・洗浄といった各工程で使用される特殊ガス・薬液には、より高い純度と厳格な不純物管理が求められます。JEITA(電子情報技術産業協会)半導体部会が2025年に公表した政策提言でも、半導体材料の生成には高度な純度管理が不可欠であることが明記されています。
実際の企業動向としても、Solvayは2025年9月、中国・鎮江拠点における半導体向け高純度電子グレード過酸化水素の生産能力を倍増する設備の稼働式典を実施しました。また富士フイルムは2024年10月、先端半導体の製造プロセス向けにEUV(極端紫外線)対応のフォトレジストおよび現像液の販売を開始し、従来のアルカリ現像液に替えて高純度有機溶剤を採用することで、より高いパターニング精度を実現しています。これに伴い静岡拠点・韓国平澤拠点でも生産設備の増強を進めており、高純度材料への投資は現在進行形で続いています。
つまり、半導体の性能向上・微細化競争の裏側では、それを扱う設備側にも"より高純度な物質を、より確実に、より長期間扱い続ける"という新たな要求が積み重なっているのです。
※参考データ・出典:経済産業省資料、TELESCOPE magazine、日経ビジネス、coevo(Aconnect)、coevo(Aconnect)、JEITA半導体部会、Solvay公式プレスリリース、富士フイルム公式ニュースリリース、
2. 高純度化がもたらす新たな課題 ― 表面処理への要求水準の高まり
特殊ガス・薬液の高純度化が進むことで、それらに接する配管・チャンバー・薬液槽などの内面には、従来以上に高度な機能性が求められるようになっています。
- 耐薬品性・耐腐食性の高度化:より濃度・反応性の高い薬液、ハロゲン系ガスへの長期耐久性
- 高純度性の担保:設備側からの金属イオン溶出・パーティクル発生を極限まで抑制する必要性(高純度ガス・薬液を扱う以上、設備自体が汚染源になってはならない)
- ピンホールレス性・均一性:わずかな施工欠陥が高純度環境の汚染に直結するため、厚膜であっても均一かつ欠陥のない仕上がりが必須
- 耐久性:頻繁な設備更新・メンテナンスによるダウンタイムを避けるための長寿命化
こうした要求に応える手段として、電解研磨・アルマイト処理・溶射・PVD/CVD・フッ素樹脂コーティングなど複数の表面処理技術が存在しますが、高純度化要求が厳しくなるほど、母材そのものの限界を超える防食性能をどう付与するかが技術的な焦点になります。対象物の形状・サイズや要求特性に応じて最適な手法を選定する必要があります。
3. サーフ工業の取り組み内容
サーフ工業株式会社は、こうした高純度化・耐薬品性要求の高度化に対して、厚膜フッ素樹脂焼付ライニングという独自の技術で応えます。

サーフ工業株式会社