特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:東京都、代表:中村雄一)は、2026年7月1日~3日にポルトガル・リスボンのUniversidade NOVA de Lisboaで開催される 「2026 ACUNS Annual Meeting」 において、代表・中村雄一による発表 “CoRe Loop Micro-Multilateralism” が正式採択されたことをお知らせします。

ポルトガル・リスボンで開催される国際連合ACUNS学術会議
本会議は、Academic Council on the United Nations System(ACUNS)が開催する国連システムに関する国際学術会議で、2026年の全体テーマは “Multilateralism Under Challenge and the Future of the Pact” です。
中村の発表は、同会議の Panels/Round Tables 11 “Demonstration of Research Tools: Of Micro-Multilateralism, United Nations Security Council Votes, and the Pursuit of Antislavery in Domestic Legislation” に採択され、Yuichi NAKAMURA, Nakayoshigakuen Project (Japan) として公式プログラムに掲載されています。

なかよし学園代表中村雄一の登壇スケジュール
今回中村は、提案タイトル “CoRe Loop Micro-Multilateralism” で今年1月にACUNSに論文を提出。2024年、2025年に続き3度目となる採択を受けました。これを受けなかよし学園では2026年7月1日~3日にリスボンで開催される第39回ACUNS Annual Meetingでの発表に向けて準備を進めてまいります。
発表の核心:「多国間主義は、会議場だけでなく“教室”で育つ」
今回の発表で中村が提示するのは、なかよし学園が国内外で実践してきた 「CoRe Loop」 を、草の根のマルチラテラリズムを育成するための 研究‐政策協働ツール として位置づける試みです。
国家や国連機関を中心とした国際秩序が揺らぐ現在、多国間主義を再構築するためには、制度改革だけでは不十分です。公共への信頼、他者への想像力、参加する責任、そして「自分にも世界を変える一歩を担える」という感覚を、社会の中でどのように育て直すかが問われています。
なかよし学園は、その出発点を「教室」に見出します。
教室は、単に知識を学ぶ場所ではありません。世界の課題に出会い、他者の痛みを想像し、自分の学びを行動へ変え、さらにその行動が現場から返ってくる経験を通じて、市民としての力を育む場所です。
中村は今回、こうした教育実践を “CoRe Loop Micro-Multilateralism” として提示し、若者・学校・NGO・地域社会・海外現場がつながる小さな国際協働の回路が、未来の多国間主義を支える基盤になり得ることを発表します。

日本全国で行っている「世界とつながる学びプロジェクト」
日本全国で行っている「世界とつながる学びプロジェクト」
日本全国で行っている「世界とつながる学びプロジェクト」
CoRe Loopとは:学びを「知識」から「行動・検証・再設計」へ変える循環モデル
CoRe Loopは、なかよし学園が展開する「世界とつながる学び」の中核モデルです。
海外の紛争、貧困、災害、教育排除などの現場と、日本の学校・子どもたちをつなぎ、学習者が以下の循環を経験します。
- Create:学びと制作教材、メッセージ、支援物資、実用品、平和アクションなどを、学習者自身が考え、制作する。
- Connect:現場への接続・活用制作されたものが、海外の学校、難民キャンプ、紛争後地域、災害被災地などの現場へ届けられ、実際に活用される。
- Return:現場からのフィードバック現地の子どもたちや先生、支援者からの写真、映像、言葉、反応が日本の学習者へ返ってくる。
- Redesign:振り返りと再設計学習者が「何が届いたのか」「何が役に立ったのか」「次にどう改善するのか」を考え、次の行動へつなげる。
この仕組みによって、国際理解教育は「知って終わり」ではなく、知識→行動→検証→再設計 という実践的な学びへと転換されます。

講演会でやる気になった生徒児童を「今、できること」で世界と繋ぎ、つながる瞬間を体感するCoRe Loop教育モデル
期待される変化:自己効力感と市民的エージェンシーを育てる
CoRe Loopが目指すのは、単なる「国際理解」ではありません。
学習者が、自分たちの学びや制作物が海外の現場に届き、実際に使われ、その反応が返ってくる経験を通じて、自己効力感 と 市民的エージェンシー を獲得することです。
「自分にも何かできるかもしれない」
「自分の学びが、誰かの役に立つかもしれない」
「世界の課題は遠いものではなく、自分の行動とつながっている」
こうした感覚は、将来的な国際協力、平和構築、SDGsの実装、市民社会への参加を支える基盤になります。
なかよし学園は、子どもたちや若者が国際課題を“他人事”として眺めるのではなく、自分の学びを通じて世界と関わる経験を積むことこそ、未来の平和構築に不可欠であると考えています。

UNESCO IEAにも事例掲載された広島市特別支援学校

なかよし学園の「世界とつながる学び」は2026年2月にUNESCO IEAのホームページに事例掲載された。
「Research Tools」枠で提示する意義:検証可能で、倫理的で、再現可能な教育実践へ
今回の採択枠は、研究ツール・デモ枠 に位置づけられています。
なかよし学園が提示するCoRe Loopの特徴は、一方向的な支援で終わらない点にあります。現場からの Returnを必須化することで、支援や学習活動の成果を確認し、次の授業やアクションの改善につなげることができます。
このReturnの仕組みによって、CoRe Loopは以下の強みを持つ研究‐政策協働ツールとして提示されます。
成果のトレーサビリティを確保できること学習者の振り返りと再設計を促進できること海外現場を一方的な「支援対象」として描くのではなく、対話と応答の関係を築けること教育実践を、平和構築・市民参加・国際協働の文脈で分析可能にすること
同時に、なかよし学園は、こうした教育実践を行う上でのリスク管理も重視しています。
発表では、パターナリズムの回避、過大な効果主張の抑制、教師負担の最小化、表象倫理、同意と尊厳の確保を、CoRe Loop運用上の重要な条件として明示します。

3年連続となるACUNSでの発表を前に準備を続けるなかよし学園中村雄一代表
国連実務への含意:市民社会・若者・ローカルがPactの実装力を補強する
2026 ACUNS Annual Meetingの全体テーマは、困難に直面する多国間主義と、Pactの未来です。
中村の発表は、このテーマに対し、制度や国際会議だけでなく、学校教育や市民社会の現場から多国間主義を再構築する可能性を提示するものです。
国連や国際機関が掲げる理念を、若者や地域社会が自分たちの行動として実装していくためには、理念と現場をつなぐ回路が必要です。
CoRe Loopは、その回路を「教室」からつくるモデルです。
日本の子どもたちが、シリア、南スーダン、カンボジア、コンゴ民主共和国などの現場とつながり、学び、制作し、届け、フィードバックを受け取り、再び考える。その小さな循環の積み重ねが、未来の国際協力や平和構築を担う市民を育てていきます。
なかよし学園は今回の登壇を通じて、草の根の教育実践が国際秩序の再構築にどのように貢献し得るのかを、国際学術会議の場で発信します。

南スーダン難民居住区で食糧支援活動を行う中村雄一代表
代表コメント:中村雄一
多国間主義という言葉は、とても大きく、遠いものに聞こえるかもしれません。しかし私たちは、それが国連の会議場だけで育つものではなく、世界の誰かを思い、自分にできることを考える教室の中でも育つものだと考えています。
なかよし学園が続けてきたCoRe Loopは、子どもたちの学びを世界の現場につなぎ、現地からの声を再び教室に返す仕組みです。そこには、支援する側・される側という一方通行の関係ではなく、互いに学び合い、変わり合う関係があります。
今回、ACUNS Annual Meeting 2026でこの実践を発表できることは、なかよし学園にとって大きな意味があります。日本の子どもたち、先生方、地域の皆さま、そして世界各地の仲間たちと積み重ねてきた小さな行動が、国際社会の未来を考える場につながりました。
私たちは、平和は願うだけでなく、学び、行動し、確かめ、つくり直していくものだと信じています。教室から始まる小さな多国間協働の可能性を、リスボンの地でしっかりと伝えてまいります。

世界を教育で平和にする。なかよし学園の挑戦は続く。
開催概要
会議名:2026 ACUNS Annual Meeting
全体テーマ:Multilateralism Under Challenge and the Future of the Pact
開催期間:2026年7月1日(水)~7月3日(金)
開催地:Universidade NOVA de Lisboa, Lisbon, Portugal
発表タイトル:CoRe Loop Micro-Multilateralism
採択枠:Panels/Round Tables 11 “Demonstration of Research Tools: Of Micro-Multilateralism, United Nations Security Council Votes, and the Pursuit of Antislavery in Domestic Legislation”
登壇者:Yuichi NAKAMURA, Nakayoshigakuen Project (Japan) ほか
登壇予定日時:2026年7月3日(金)9:30 am - 10:45 am
※プログラムは予備版であり、変更される可能性があります。
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org