僧侶から転身した画家・後藤純男の作品を紹介する企画展「絵のみち・祈りのこころ 後藤純男の全貌」が現在、千葉県立美術館(千葉市中央区中央港)で開かれている。
1930(昭和5)年、千葉県東葛飾郡木間ヶ瀬村(現在の野田市)の寺院の子として生まれた後藤純男は出家後、自然への畏怖(いふ)の念や、歴史の壮大さ、宗教的荘厳(そうごん)さなどを風景画で表現。22歳の時、日本美術院の公募展で初入選したのをきっかけに、僧侶の職を離れ画家としての生き方を選んだ。
同展では、北海道空知郡上富良野町にある「後藤純男美術館」の協力を得て、千葉の田園、北海道の滝、法隆寺などの大和古寺、中国の雄大な山河など、初期から晩年に描いたさまざまな風景画やスケッチ、写真などを関係資料と共に紹介する。会場では、奈良・長谷寺に奉納した襖絵(ふすまえ)を期間限定で特別展示するほか、東京・高幡不動尊金剛寺の襖絵も展示する。会期中の日曜は学芸員によるギャラリートークを行う。
開催時間は9時~16時30分。入場料は、大人=1000円、高校・大学生=500円、中学生以下・65歳以上無料。月曜、12月28日~1月4日休館(来年1月13日は開館、翌14日休館)。1月19日まで。