「多古町醸造ワイン『多古』発表会」が4月9日、ホテルニューオータニ幕張(千葉市美浜区ひび野)で報道機関を対象に行われた。主催は船越ワイナリー。
千葉県で90年ぶりの設立となったワイン醸造所「船越ワイナリー」(千葉県香取郡多古町)の設立経緯と、完成した第1号赤ワインが披露された。試飲会では来場者に飲み比べ用のワイン3種類を提供、同ホテルのエグゼクティブソムリエの谷 宣英さんによるワインの解説も行われた。
同ホテルでは6月15日まで、「多古ワイン」の日本固有品種ワイン2種類を販売する。千葉県民の日(6月15日)を記念して館内レストランで提供する「千葉グルメディナー ~房総の恵み~」注文客を対象に特別価格の提供も行う。醤油味と相性が良く甘い香りで和食と合う「茨城県常陸太田市産 マスカットベーリーA」は、グラス=1,100円、ボトル=6,600円。酸味、渋み、甘みのバランスが良く肉料理に合う「山形県月山産 山ぶどう 月山一号」は、ボトル=1万1,000円。
町おこしと離農抑止を目的に設立した同ワイナリーが手掛ける「多古ワイン」は、「ぶどうの持つ高いポテンシャルを最大限に引き出す」をコンセプトに果皮、種子、果汁を丸ごと発酵させる「かもし発酵」で醸造している。現在は他県産のぶどうで醸造されているが、数年後には多古町産を用いた生産を目指している。
船越ワイナリー代表取締役の勝又純一さんは「昨年2月に会社を設立、茨城県産のマスカットベリーAや岩手県産と山形県産の山ぶどうを仕入れて11月半ばに醸造を開始した。ぶどうを収穫してから日数が経っていて心配したが、なんとか評価していただけるワインが完成した。まだワイン造りを始めたばかりなので多くの技術や情報を仕入れて、より高度なワインを提供したい」と意気込む。専務取締役の土屋卓さんは「日本固有の山ぶどうと交配種をメインに品種選定した。ヨーロッパ産とは異なる日本独自のワイン造りを実現するために、ぶどう作りに必要な良質の土と栽培技術を研究して世界に誇れるワイン造りをしたい」と話した。