春の展示「九十九里浜の自然誌」が現在、千葉県立中央博物館(千葉市中央区青葉町)企画展示室で行われている。
房総半島の東岸に約60kmにわたって続く海岸、九十九里浜の自然と魅力について「あなたの知らない九十九里がここにある」をテーマに、標本や写真、はく製を使って紹介する同展。
潮風吹く中で生育する、ハマヒルガオやコウボウムギなど内陸では見ることのできない植物、砂丘上で群れを成すミユビシギや砂に潜りながら暮らすスナガニ、真水と海水が混じる河口に生息する魚など同浜で見られる動物を紹介、75年前に行われた植生調査の報告書や当時採取された植物標本も併せて展示する。
地下から掘り出された資料を用いて同浜の地史と地形も紹介する。日の出がだるまのように見える「だるま太陽」や、昭和30~40年代頃の九十九里浜で行われていた生活の営みを写真で紹介する。九十九里浜に南国から漂着したヤシの実やツメタガイの卵塊など、砂浜で拾われた落とし物を展示する。九十九里浜の魅力を紹介する一方、海岸侵食を受け、砂浜が狭まっている現状についてもパネルなどを用いて解説する。
関連イベントとして、シンポジウム「九十九里浜の侵食を考える」をオンライン公開する。申し込みはホームページで受け付ける。
開館時間は10時~16時30分。料金は大人=300円、高校生・大学生=150円、中学生以下・65歳以上無料。休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)。5月30日まで。