廃校を利用した「シェアキャンパス清海学園」(勝浦市鵜原)で11月18日、「大学生による空き公共施設活用方策の提言会 in 勝浦」が行われた。主催は、千葉県商工労働部企業立地課。
同学園は廃校になった勝浦市立清海小学校を千葉市の企業、パクチー(千葉市美浜区)が借り受けているもの。大学生が地域経済を活性化するためにはどのような活用方法が望ましいか、若者の視点からの調査・研究を踏まえ、効果的な活用方策を提言した。千葉大学(千葉市稲毛区)、千葉工業大学(習志野市)、千葉商科大学(市川市)の学生が参加、今春から現地を何度も訪れ、宿泊し、地元住民らにヒアリングを重ねて発表に臨んだ。
千葉大チームは、勝浦の海に焦点を当て、安心安全の海の整備を発案。ライフセーバーの育成、託児所の整備、車いすの人でも自力で海辺に行ける道の配置などを提案した。千葉工大チームは「廃校になって途絶えた人の流れを取り戻し、観光・学び・ビジネス、暮らしに焦点を当てコミュニティーとしての場を創り上げていく」というストーリーを組み立てた。千葉商科大チームは「体験型観光・学習事業による企業誘致」をテーマに人口推移などのデータを紹介。問題解決に向けて眠っている環境資源を掘り起こす具体的なプランを提案した。
発表者の千葉大建築学科の宮本ひろみさんは「建築、デザイン、経営とそれぞれの大学の強みが出て良かった。提案だけでなく具体的な運営方法や誘致企業まで考える良い機会になった。これからの建築の勉強にも生かしていきたい」と話した。
イベントには、勝浦市の関重夫副市長をはじめ、運営するパクチー、県職員、参加大学の関係者、地元の旅館業者、同施設の卒業生ほか、さまざまな分野や立場の人が参加。発表後は参加者から事業に対して、収入源や企業誘致の方法などの質問が飛んだ。提案は今後の廃校の活用プロジェクトに取り入れていく予定という。