企画展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン~ウイリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで~」が現在、千葉県立美術館(千葉市中央区中央港1)で行われている。
千葉県誕生150周年を記念して行う同展。イギリスのウィリアム・モリス(1834-1896)が19世紀の急速な工業化の中で、手仕事によるものづくりに立ち返り、生活と芸術の統合を目指した活動を始め、感化されたデザイナーや建築家によって「アーツ・アンド・クラフツ運動」が発展した。モリスや運動をけん引した作家たちによるテキスタイル、家具、ガラス製品、宝飾品、壁紙、書籍など約140点を展示。
同時に小企画展示「千葉とアーツ・アンド・クラフツ」も開催。同運動が、千葉県の文化芸術の発展にいかに影響を及ぼしたかを解説。浅井忠「絵皿」(1901年)、豊田勝秋「鋳銅花壺麗しき草の成長」(1924年)など県ゆかりの作家たちの作品から、デザインの広がりと魅力を紹介する。
2月3日に行われたオープニングイベントでは、千葉大学植田憲教授と貝塚健館長が対談を行った。貝塚館長から「デザインとは?」と問われた植田教授は「生活を、より豊かにしていく総合的な営み」と回答。展覧会の見どころについては、「それまでなかったものを作り上げていく作り手の息吹、やる気、手作業の名残が作品にある。図鑑や写真ではなく、生活で使われてきた本物を間近に見ることができる」と話す。貝塚館長は「千葉独自の企画として、当館のコレクションからアーツ・アンド・クラフツの影響を受けた作品を展示した。千葉の魅力を皆さんと確認していきたい」とも。
期間中、大阪大学藤田治彦名誉教授による「美術講演会」(2月17日)、や植田教授が講師となる千葉大学連携事業「万祝(まいわい)型紙であそぼう~房州うちわをデザインする~」(3月3日)を予定。
開館時間は9時~16時30分(金曜・土曜・祝日は19時30分まで)。入館料は、大人=500円、高校・大学生=250円、中学生以下無料。3月24日まで