「第24回ベンチャー・カップCHIBA」が11月20日、TKPガーデンシティ千葉(千葉市中央区問屋町)で行われた。主催は千葉市産業振興財団(中央区中央2)。
同財団では、2002(平成14)年度から中小企業やベンチャー企業の支援、地域事業の振興と千葉市発の新たなビジネス創出を目的に同コンテストを行っている。当日の最終審査には、ビジネスプラン部門の5社と、事前審査を経たビジネスアイデア部門の入賞者が登壇し、社会課題の解決を軸に地域に根差した事業構想を発表した。
ビジネスプラン部門のグランプリは、災害時の利用を見据えた浄水装置の構造「モノMAXフィルター」を開発する「モノベエンジニアリング」が受賞した。同装置は、ばね式のフィルターが濁水ろ過する構造が特徴で、目詰まりすれば逆洗浄で再生する。使い捨てのフィルター使わずに生活用水を確保できる点が強みとされる。「SDGsビジネス賞」は「セリッシュエフディー」の健康管理サービス「ウェルネス・チェック・プラス」と、「Eプラン」の「家庭用e-WASH 小型生成機」が受賞。「AI・IoT賞」「アグリビジネス賞」は該当者なしとなった。奨励賞には、電源技術を発表した「エムエスイー」と、「千葉大学 学術研究・イノベーション推進機構 スタートアップ・ラボ」の松永博充さんの「Smart GlycoRice(仮称)」が選ばれた。
ビジネスアイデア部門のグランプリは、発達特性などの理解を深める研修プログラム「こころのPsyN」を提案した「PsyN」が受賞。奨励賞には、在宅ワーク向け動画編集人材育成の「ドウセン」、ぶどう摘み取り体験を核とした体験価値提供サービス「アグリテイメント」を提案した千葉大学の矢澤智弘さん、空き家を活用した読書倉庫「Re:Read House」を企画する千葉経済大学が選ばれた。
審査委員長の鷹野敏明千葉大学名誉教授は「グランプリのモノベエンジニアリングの提案は社会的ニーズが高く、実現性も十分。実用化された製品を災害時の避難所で活用しようとする姿勢が評価された」と話した。各受賞者には盾と副賞が贈られた。