背景
廃プラスチックや未利用バイオマスの再資源化は、循環型社会の実現に向けて重要な課題のひとつです。これらの有機資源は、熱分解(熱化学的分解)によりガス・オイル・炭化物などに転換できる可能性があり、エネルギー回収や化学原料化といった多様な利用が期待されています。
一方、原料組成や不純物の影響、反応条件の最適化、生成物の品質安定化など、実用化には多くの技術課題が残されています。
当社では、これらの課題解決を支援するため、熱分解挙動や生成物特性を評価できる「熱分解試験」を実施しています。
サービス内容
本試験では、廃プラスチックおよびバイオマスを対象に、実験室スケールでの熱分解挙動を評価します。電気炉を用いて、反応温度・昇温速度・滞留時間・雰囲気ガスなどの条件を制御しながら、生成ガス・オイル・残渣の収率と組成を測定します。
主な試験・分析項目は以下のとおりです。
・熱分解反応条件(温度、時間、雰囲気)の最適化試験
・生成ガス・オイルの成分分析(GC、GC-MSによる定性・定量)
・固形残渣(炭化物・灰分)の成分分析
・原料の混合比による反応性比較
・ 触媒添加による分解促進効果の評価
これらにより、対象物の分解特性、生成物の再利用可能性、触媒や条件変更による変化を総合的に把握できます。また、お客様のご要望に応じたカスタマイズ試験も実施可能です。
今後の展望
熱分解の評価技術を高めると共に対象物質を増やすことにより、熱分解プロセスの設計・評価・改良に貢献します。
試験装置例