
企画展「神谷別荘の見てきた景色-文化財の保存とこれから-」が8月6日から、「千葉市民ギャラリー・いなげ」(千葉市稲毛区稲毛1)で開催される。
耐震補強工事後の壁面の様子(写真提供=千葉市民ギャラリー・いなげ)
同ギャラリーが管理する旧神谷傳兵衛稲毛別荘は、浅草の電気ブランの「神谷バー」や茨城県ワイン醸造場「牛久シャトー」の創始者の明治の実業家・神谷傳兵衛の別荘として、1918(大正7)年に鉄筋コンクリート建築で建てられた洋館。歴代の所有者に受け継がれた後に千葉市に寄贈され、1990(平成2)年から市民に公開。1997(平成9)年には建造物の国の登録有形文化財に指定されている。
市民への公開から35年がたったことを記念し、神谷傳兵衛が稲毛に別荘を建ててから受け継がれ千葉市に寄贈されるまでの歴史と同時代の稲毛の様子、一般公開に至る過程と文化財に登録されるまで、耐震補強工事や地域との連携について、時代を3章に分け解説する。
神谷別荘関係者や地域住民から借りた写真や絵はがき、改修工事の様子を収めた写真、開館当時の掲載雑誌、完成予定図、地域連携イベントなどの記録などを展示する。
同ギャラリー学芸員の増田瞳さんは「地域の財産である文化財を未来へ受け継いでいくためにも、神谷別荘がどのような歴史を持ち、保存されていったのかを振り返り、これからの活用について考える展示になれば。多くの皆さまにご覧いただき、神谷別荘を身近に感じてもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時15分(最終日は15時まで)。8月12日休館。入館無料。8月17日まで。