千葉市動物公園(千葉市若葉区)が現在、肉食動物に動物の毛皮や骨などが付いたままの餌を与える「屠体給餌(とたいきゅうじ)」プロジェクトに取り組んでいる。
飼育動物のストレスを軽減する取り組み「環境エンリッチメント」の一環としてスタートした同プロジェクト。同園が飼育するライオンやハイエナの肉食動物の生活の質を向上させるとともに、害獣として駆除される動物の命を有効活用しようと計画する。
屠体給餌を行うことで、肉食動物本来の牙や舌、顎などを使って獲物を「かみ砕く」「しゃぶる」などの行動が本能を呼び覚ます効果が期待できる。実際に同園で試験導入した際も、普段は短時間で肉を食べ尽くしてしまうライオンが、屠体を抱え込み、喉を鳴らし、時間をかけて食事する姿が観察できたという。
餌にするのは害獣として駆除されたイノシシで、千葉県内では年間2万頭を超え、そのほとんどが廃棄処分になっている。
現在、プロジェクトを支援するクラウドファンディングへの支援を募っている。集めた支援金は、屠体肉の加工処理経費や啓発・学術的検証費・教育イベントなどの開催経費などに充てる。支援金額に応じたリターンは、「ライオン・ハイエナによるダメージジーンズ」の提供や「ジビエ肉BBQ(バーベキュー)セット」など。プロジェクトの趣旨に沿ったリターンが並ぶ。
応募の締め切りは8月15日23時59分。特設ホームページを設けている。問い合わせは都市局公園緑地部動物公園(TEL 043-252-7566)が受け付ける。