企画展「開館30周年・千葉開府900年記念 千葉美術散歩」が現在、千葉市美術館(千葉市中央区中央3)で開催されている。
千葉という「場」を切り口に、明治から現代までの地域の美術の流れをたどる同展。観光地としてにぎわった稲毛、画家・田中一村が暮らした千葉寺町、無縁寺心澄が描いた都川の風景、美術教育の拠点となった旧制千葉中学校(現・県立千葉高校)など、市内各地に根差した場所と人に焦点を当てる。
展示は7章構成で、同館所蔵の179点を含む計287点を紹介する。ジョルジュ・ビゴー「稲毛海岸」、田中一村「仁戸名蒼天」、堀江正章「室内草花図」など、千葉にゆかりの深い作家の作品が並ぶ。関東大震災後に芽吹いたアートシーンの動向や、戦後の文化拠点「国松画廊」、同館の建築を設計した大谷幸夫の建築資料なども展示し、社会の変化とともに育まれた千葉の美術史を多角的に見せる。
同館学芸員の西山純子さんは「千葉の地でどのような美術が生まれ、育まれてきたのかを改めて見つめ直す展覧会。作品を通して、この地域の美術の豊かさや、時代との関わりを感じてほしい」と話す。
関連企画として、12月14日に現代美術家・須田悦弘が「雑草」を公開制作するほか、作品・作家ゆかりの千葉の地、稲毛や千葉寺などを巡る「てくてく千葉美術散歩」も行う。
開館時間は10時~18時(金・土曜は20時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜休館、年末年始休館)。観覧料は、一般=1,200円、大学生=700円、高校生以下無料。2026年1月8日まで。