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千葉の元ペットショップが保護動物の譲渡会 県内の殺処分ゼロ目指し

竹堂さんと保護犬の「ニイナ」

竹堂さんと保護犬の「ニイナ」

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 生体販売と繁殖をやめ、ペットショップから業態変更した「アニマルライフ」千葉本店(千葉市若葉区高品町、TEL 043-252-5110)と南行徳店(市川市相之川、TEL 047-358-3773)で4月15日、保護犬・保護猫の里親会イベント「アニマルライフ 春の譲渡会2017」が開催される。運営はアークス(千葉市)。

里親募集中の保護猫「ウニ」と「トロ」

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 里親会は通算4回目。千葉本店では通常の営業に加えて愛犬・愛猫撮影会を、南行徳店では譲渡会のほか、保護猫写真家・ねこたろうさんによる保護猫写真展、バルーンアート、似顔絵師による愛犬・愛猫の似顔絵描きなどを行う。

 同社が生体販売と繁殖をやめ、保護犬・保護猫の譲渡に切り替えたのは2016年7月。以前の店舗名は「ペットのジャングル」で、20年以上地元に根付いてきたペットショップだったという。社長の竹堂佳紀さんは「ペットショップ卒業」を決断したのは、「幼体を店頭に並べる日本のペットショップの慣習が世界的には異例であることや、生体販売には犬猫にとって不幸な現実があり、従業員が疑問を感じ始めていたことが大きい」と話す。

 現在は、千葉市動物保護指導センターから引き取った犬猫の譲渡活動を行う。生体販売をやめた損失利益は、動物病院、ペットホテル、トリミングサロン、フードなどのペット用品の販売、老犬老猫ホーム、アニマルシッターなどを一つの複合施設として運営することで埋め、事業の収支を成り立たせる計画という。竹堂さんは「経営は容易ではなく、模索の日々。でもペットショップを卒業したことに後悔はない。正しい決断だったと考えている」。

 現在、日本全国で飼育されている犬は992万頭、猫は987万頭(2015年 一般社団法人ペットフード協会調べ)。環境省によると、自治体の保健所や動物愛護センターなどに引き取られる犬は約4万7000頭、猫は約9万頭。犬は迷子などの成犬が多く、猫は所有者不明の幼齢猫が多くを占めるという。自治体に引き取られた犬猫は、年間約5万頭の犬猫が返還・譲渡される一方、約6割に当たる約8万3000頭が殺処分の対象となっている(引き取り後の自然死や病死も含む)。

 「センターからの引き取りを行い、独自で里親探しをすることで、そういった悲しい状況を少しでも改善し、まずは千葉県内の殺処分をゼロにしたいと願っている」と竹堂社長。「譲渡会ではお子さんや愛犬、愛猫とともに気軽に楽しんでもらい、保護動物のことを知ってもらえたら」とも。

 開催時間は10時~15時。譲渡には同社規定の条件があり、面談や家庭訪問の上、後日引き渡しとなる。譲渡の際には、これまでの医療費などを含む譲渡費用3万5,000円が必要。

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